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「においが分からない」は新型ウイルスの兆候? 発熱やせきとの組み合わせに注意

2021年07月31日14:52:57

更新日時:2021年07月31日14:52:57

ミシェル・ロバーツ健康担当編集長、BBCニュースオンライン

イギリスの研究チームが、においや味がしなくなることが新型コロナウイルス感染の兆候かもしれないという調査結果を発表した。嗅覚の異常単独ではなく、せきや発熱などの症状と一緒に出た場合は、まず自主隔離すべきだと呼びかけている。

キングス・コレッジ・ロンドンの研究チームは、新型ウイルスによる感染症(COVID-19)の症状かもしれないと、アプリで報告した40万人以上の回答を調査した。

しかし、嗅覚や味覚の喪失は、普通の風邪など他の呼吸器感染症の兆候でもある。

そして、新型ウイルスでは何より発熱とせきに気をつけなくてはならない、その症状が出たら処置が必要だ。これは依然として変わらないと、専門家は言う。

もし自分や同居人のせきや高熱が何日も続くようなら、家にとどまり、ウイルス拡散の危険を防ぐことが重要だ。

調査結果は?

キングス・コレッジの研究チームは今回、専門家がCOVID-19対策の理解を深めて対策をとれるよう、新型ウイルスによるかもしれない症状について情報を集めた。

COVID-19の症状を追跡するアプリ「Covid Symptom Tracker」に寄せられた症状は以下の通り――。

  • 疲労感・けん怠感:53%
  • しつこいせき:29%
  • 息切れ:28%
  • 嗅覚や味覚の喪失:18%
  • 発熱:10.5%

対象となった40万人のうち、COVID-19の検査を受けた人は1702人で、うち579人が陽性という結果が出たと答えた。残りの1123人は陰性だった。

検査で陽性判定が出た人の内、においや味ガ分からなくなったと訴えた人は59%に上った。

注意すべき主症状に加えるべきか?

専門家は、十分な証拠がまだそろっていないと説明する。

イギリスのイングランド公衆衛生庁も世界保健機関(WHO)も、嗅覚や味覚の喪失を症状のリストには加えていない。

イギリスの耳鼻咽喉科医の代表団体「ENT UK」は、新型ウイルスの感染者がこうした症状を訴えるのは意外ではないもののCOVID-19に限った症状ではないと述べている。

キングス・コレッジ・ロンドンの研究チームは、においや味が分からなくなる症状は、それ単独ではなく、せきや熱といった症状と共に出るかどうかを気をつけると良いと話す。

今回の調査を主導したティム・スペクター教授は、「我々のデータでは、他の症状と共に嗅覚や味覚の喪失を訴えた人は、COVID-19にかかっている可能性がそれ以外の3倍は高かった。そのため、こうした人たちは7日間、自主隔離して、ウイルスの拡散を防ぐべきだ」と呼びかけた。

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