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ファウチ博士、アメリカは「間違った方向に向かっている」 マスク指針見直しも

2021年07月31日14:45:57

更新日時:2021年07月31日14:45:57

アメリカの感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は25日、国内で新型コロナウイルスワクチンを接種していない人の間で感染が急増していることについて、「間違った方向に向かっている」と警告した。

ファウチ博士は、従来株より感染力の強いデルタ株が、ワクチン接種率の低い地域での感染を急増させていると述べた。

そして、接種完了者に対するマスク着用ガイドラインの見直しを、保健当局が検討していると話した。

新型ウイルスの影響を受けやすい高リスクの人たちにブースター(追加免疫)接種を提供することも検討しているという。

ジョー・バイデン米大統領の首席医療顧問を務めるファウチ氏は、アメリカにおける新型ウイルス感染の状況について、「ワクチンを受けていない人の間でパンデミック」が起きつつあると、25日に米CNNに述べた。

米疾病対策センター(CDC)の集計によると、アメリカでは25日午後の時点で、人口の49%に当たる1億6300万人以上がワクチン接種を完了している。

アメリカは4月までは、接種率で世界をリードしていたが、その後は接種率が低下し始めた。

特に接種率が低い南部では、住民の半数以下しか1回目の接種を受けていない州もある。

こうした中、1日あたりの感染者数は5月と6月に減少した後、再び増加に転じている。

この傾向は、感染力の強いデルタ株が急速に広まったことが一因となっている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アメリカではこれまでに3440万人以上が感染し、61万人以上が死亡している。

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接種率の低い州で感染急増

感染者が急増しているのはフロリダ州、テキサス州、ミズーリ州などワクチン接種率の低い各州。

オバマ政権下で公衆衛生局長官に任命され、ドナルド・トランプ前大統領によって更迭されたヴィヴェク・マーシー氏は今週初め、新型ウイルス感染症COVID-19による死者の99.5%はワクチンを接種していないと指摘した。

ファウチ博士はCNNのインタビューの中で、ワクチン接種率の低い地域の首長たちは、住民に接種を促すためにもっと努力する必要があると述べた。

博士はさらに、アーカンソー州とフロリダ州の知事が接種を推進していると聞き、「非常に心強い」とした。両州知事はいずれも共和党所属で、これまでファウチ氏の助言に批判的だった。

このパンデミック下で、ファウチ氏はバイデン現政権とトランプ前政権で重要なアドバイザー役を務めてきた。

マスク着用ガイドライン

ファウチ氏はCDCが定めたマスク着用ガイドラインの内容を変更する協議に参加したと述べた。

現状では、CDCは接種完了者について、「マスクを着用せずに、パンデミック以前に行っていた活動を再開できる」としている。

ファウチ氏はCDCの現行ガイドラインに基づき、地方自治体が独自ルールを設定できると述べた。

ただ、感染者の増加を抑え込むために、一部の自治体が屋内や公共の場でのマスク着用義務を復活させたことにも言及した。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡では、接種の有無に関わらず、屋内でのマスク着用が義務付けられている。